国際貢献

千里救命救急センターと国際貢献

千里救命救急と国際貢献1
千里救命救急と国際貢献1

当センターは、1988年第1回アジア太平洋災害医学会(APCDM1)、1999年第11回世界救急災害医学会(WADEM11)を主催し、日本から災害医療・救急医療の知見を発信すると共に、この分野における知識の共有を図っています。

また1988年以降、国際協力機構(JICA)主催の救急災害医療セミナーの実施病院として、毎年10-15名の医療関係者の受入を行っています。2012年時点で、東南アジア・中東・アフリカ・中南米など46ヶ国230名以上の方々が、日本で救急・災害医療を学ばれ、帰国後は、自国の保健行政・救急医療・災害医療の核を担っておられます。タイやコスタリカの研修生は、帰国後、自国のDMATの創設、サウジアラビアの研修生は、首都リアドに日本型の救急医療体制の構築、ウルグアイでは、国家消防局に勤務する医師が、首都モンテビデオでドクターカーシステムの構築などに力を注がれています。2004年のインド洋大津波災害後は、インドネシアの各地域から、3年間で計30名の医療関係者を受け入れ、彼らによりインドネシアの新しい災害医療体制が構築されています。2012年9月からは、3年間で計30名のミャンマー救急医療関係者を招き、ミャンマーにおける救急災害医療体制の構築のお手伝いをさせていただく予定になっています。

日本政府は国外で地震など大災害が発生したとき、いち早く被災国に対し、国際緊急援助隊(医療チーム・救助チーム)を派遣します。この援助隊の立ち上げには、救急救命センターの初代所長・副所長が深くかかわってきました。この関係上、多くの職員が国際緊急援助隊に登録するとともに、援助隊の企画運営・教育などの中心的な役割を担っています。病院・各部署には派遣される隊員を暖かくサポートする意識があり、過去に多くの医師・看護師・検査技師などが国際貢献の最前線で活躍してきました。最近では、2004年インド洋大津波災害で、インドネシア・モルジブ・スリランカに、2005年パキスタン地震災害、2008年中国西部大地震、同年ミャンマーサイクロン災害、2010年パキスタン洪水災害に対して、医師・看護師等が被災者支援に参加しています。

国外災害派遣

1988年 エチオピア干ばつ 国際緊急援助隊として医師1人、看護師1人派遣
1989年 象牙海岸リベリア難民 国際緊急援助隊として看護師1人派遣
1990年 イラン地震 国際緊急援助隊として医師1人派遣
1991年 イラン難民・トルコ難民 国際緊急援助隊として医師1人、看護師1人派遣
1992年 ニカラグア津波 国際緊急援助隊として看護師1人派遣
1993年 ネパール洪水 国際緊急援助隊として看護師1人派遣
1996年 バングラデシュ竜巻 国際緊急援助隊として看護師1人派遣
1997年 インドネシア森林火災 国際緊急援助隊として看護師1人派遣
1999年 コロンビア地震 国際緊急援助隊として看護師1人派遣
1999年 トルコ共和国地震 国際緊急援助隊として医師1人、看護師2人派遣
1999年 トルコ地震(北西部) 国際緊急援助隊として看護師1人派遣
1999年 モザンビーク洪水 国際緊急援助隊として看護師1人派遣
2002年 ヨルダン難民救援 HuMAとして医師1人派遣
2003年 アルジェリア地震 国際緊急援助隊として看護師1人派遣
2003年 イラン バム地震 国際緊急援助隊として看護師1人派遣
2004年 スマトラ島沖地震災害 国際緊急援助隊として医師1人、看護師5人派遣
2005年 パキスタン地震 国際緊急援助隊として医師2人、看護師2人派遣
2008年 四川大地震 国際緊急援助隊として医師1人、看護師2人派遣
2008年 ミャンマー サイクロン 国際緊急援助隊として看護師1人派遣
2009年 パダン沖大地震 国際緊急援助隊として看護師1人派遣
2012年 フィリピン 台風 HuMAとして医師1人派遣
2012年 フィリピン 台風 国際緊急援助隊として医師1人、看護師1人派遣、HuMAとして医師2人派遣
2015年 バヌアツ 台風 国際緊急援助隊として医師1人派遣、HuMAとして医師2人派遣
2015年 ネパール地震 国際緊急援助隊として医師1人、看護師2人派遣、HuMAとして医師2人派遣

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